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パッチワークキルトや手芸を楽しんでいらっしゃる方の中には手作りは大好きだけれど、大物はなかなか使い道が...ベット生活じゃないし、コタツカバーは汚れたらもったいない、と思われてる方も多いのではないのでしょうか。(本当はお洗濯すればするほど、風合いが良くなりますよ)パッチワークのタピなど、かける場所もないし、第一家に合わない、そんな声をよく聞きます。今日はトランテアンのお客様の作品を2点紹介させていただきます。
画像1は少し大きめのタピです。
(1.2m×1.6m)N.Iさんは、太極拳の先生をされています。マンションにお住まいですが、お宅のインテリアが洋式和風にされていることと、あまり家具を置かないシンプルな暮らしをされていること、でも白い壁ばかりで時々温かみがほしいなぁと思うとのことで、このタピを作られました。タピの良いところは、収納が楽で模様替えが簡単にできることですよね。たまたま数年前、トランテアンの仲間展を嵐山のお寺で、しかも11月の末に催したので、”小倉山 峰の紅葉...”にちなんでデザインを決められました。全てリバティタナローンを使用しています。中心の川面の落ち葉の流れは5cm角、両脇は長方形の網代模様、所々に三角を飛ばしてあります。パターンはたった3種類です。11月は行事がないので(ひな祭りとかイベントがない)重宝されてます。風の強い日に撮ったので、浮いていますがとてもキレイにキルトされてます。N.Iさん写真に電線の影が写ってスイマセン。
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画像2は、いわゆる「掛け軸」です。K.Sさんは3人の男の子が皆さん成人され、偶然ですが彼女もエアロビクスのインストラクターをしながらパッチワークを楽しんでいる方です。お宅の日本間が北向きで部屋がとても暗く、普段行事ごとのない時はパッと明るくしたいということで、パッチワークの床の間用掛け軸を思いつかれました。全てリバティプリントタナローンを使用しています。
床の間が西にあるので、風水を考えて黄色地の土台布に扇面くずしのパターンで日本間でも違和感がまったくないそうです。扇のパターンは1876年、アメリカ建国100年記念のフィラデルフィア万国博覧会に明治政府が日本の伝統手工芸品を出品し、それらがアメリカのキルターに広まったと言われています。1900年代になると、アールヌーボーと共にヨーロッパでも好まれ、クレージーキルトのように、刺しゅうやビーズを施し、綿布だけでなく、シルクやベルベット、リボンなどのとても豪華なソファー掛けが作られ、お茶会の時の自慢話の材料になりました。この掛け軸は一般的なグランドマザーズファンですが、ジャパニーズファンやチャイニーズファンと名づけられたパターンもあります。ブロックのセッティングでいろんな変化や動きのあるキルト作りが楽しめます。
一種類のパターン(四角形、六角形、長方形など)だけを使い、色使いや柄のとり方の工夫でデザインを広げていく方法をイングリッシュメソッドと言いますが、リバティプリントこそその方法がぴったりな感じがします。ファンも基本的にはパターン数は一種と考えてよいかもしれません。
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リバティプリントが和風や東洋風のデザインにもぴったりくるのは、アーサーリバティが日本及び東洋に惹かれたのが彼の人生の始まり イコール リバティプリントの誕生があるからですね。画像3はアーサーリバティが本当に日本の手工芸、文化が好きだったほんの一例です。この古い写真は19世紀終わりのリバティ商会のショップアシスタントが日本の着物を着た写真です。実際にこんなスタイルでお店に出ていたかどうかわかりませんが、西洋人の背の高さがこの着方をとてもファッショナブルにしています。リバティ商会では着物を数多く輸入し、そのまま販売していたようなので、当時の芸術家、セレブ?のパーティーなどでは着物ドレスが多く見られたことでしょう。
(写真はTHE HOUSE OF LIBERTYより)
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