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グラスゴーは坂の街。
どこにいくにも小さな登山。凹凸がびっくりするくらい激しい。
そのため、町並みがコロコロといろんな表情を見せてくれる。
ロンドンに次ぐ商工業都市にもかかわらず、古い建物の保存も良く、
ここ数年スコットランドの文化、芸術の中心となっています。
8時30分エジンバラ発のスコットレイルに乗り込む。
15分毎に列車は出ていて、所要時間は50分。
行きも帰りも向かい合わせの4人がけシート。間に大きなテーブルがあり、みんな本を読んだり、
ノートパソコンをたたいたり、論文?のチェックに忙しい女性。
車内は通勤時間にもかかわらずみなさんゆったりとした感じ。
「どこから? そう、日本! 良い旅を!」なんて気楽に声をかけてくれます。
この日も朝から英国おなじみのどんより曇り空。
7月も半ば過ぎというのにまだ20度を超える日がありません。
クイーンストリート駅をおりたら、「グラスゴー大聖堂」まで歩きます。
ほとんどの中世スコットランドの大聖堂が宗教改革の折に破壊された中、現在に残る貴重な大聖堂。
ゴシック建築のすばらしいステンドグラスをみると、カテドラルウィンドウやカレードスコープのパターンを思い浮かべます。
次の作品はこのパターンのアレンジでと思いました。
グラスゴーに入り、バス停やゴミ箱、あちこちで目に留まるこのさかなの紋章。
鳥も飛べない、木も育たない、
魚も泳げない、ベルも鳴らない。
言い伝えには諸説あるようで、詳しいところはわかりませんが…
おとなりのプロバンド領主館の係りの方に説明していただきました。
この領主館はグラスゴー最古の家屋。いにしえの人の生活感がにじみでています。
砂岩の壁、頭をぶつけそうな低い部屋の入り口、いまにも誰か下りてきそうな木の階段。
窓から見えるのはケルト風デザインの薬草のノットガーデン。
右下画像の赤い花は大きなホクシャの木。リバティプリントでもおなじみです。
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クイーンストリート駅前の大きな広場、
ジョージズスクエアにはたくさんの郷土の偉人の像。
映画「ロブロイ」の原作者、作家のウォルタースコット、
蒸気機関のジェームスワット、蛍の光の作詞家ロバートバーンズなど、おなじみの面々が。
冠をかぶった女王様以外の頭は、
カモメ?の休憩所になっちゃうようです。
その広場の前にそびえるのは世界一美しい?City Hollへ
豪華絢爛、荘厳、使われている大理石のモザイクタイル。
すみずみまでの手仕事の精密さ、ここにも紋章がいっぱい。
正面受付に、日本風のすみ絵色のタピストリーが印象的。(画像左) でもよくみると十字架が。
スコットランドはUKになってからも独立国家。イングランドとは一線を引いてお札も独自のもの。
エリザベス女王のお札も、スコットランドに来るとウォルタースコットが印刷されたものに。
もちろん、ロンドンでもつかえますが、日本では両替してもらえないかも、と使い切るのに必死でした。(画像 右下)
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それにしても、街歩きはペタンコの京都盆地に比べ、足腰が鍛えられる。。凹の部分が歩行者天国、メインストリート。
凸の部分に住宅やオフィス。 雪が降ったらどうなるのかしら。
道路に面して坂道の上の1Fが下の3Fにあたるほど!!
すごい急勾配。車のサイドブレーキを忘れるとえらいことになりそう。
息を切らしていると、地元のネコちゃんに励まされる。
駅から程近いメインストリートの中にマッキントッシュのウィローティーム。
デザインは傑作でも世界で最もすわりにくいイスにすわりお茶をすることに。
アフタヌーンティーセットを一人分と紅茶を追加して、ふたりでいただきました。
山盛りのジャムとクロテッドクリームがうれしい。ケーキもスコーンもおいしく(イギリスにしては)サービスもよく満足でした。
マッキントッシュデザインを凝縮した店内は観光客は私たちだけ?みなさん地元の人が多そう。
そう、グラスゴーはアート、デザインにかかわる人たちの聖地のひとつでもあります。
今やスコットランドの誇りと称されるマッキントッシュですが、59年の生涯の後、20年を経て再評価、
最高傑作と言われる建築物のグラスゴースクールオブアートも見学者もいっぱいで早めの予約が必要、
当日はすべて満員のため中は見学できませんでした。
そのあと、1896年開業の世界で4番目?のスコットランド唯一の地下鉄で移動。
地下鉄は迷路のようなロンドンと比べて、一本の環状線のため、外回り・内回りのどちらかしかホームがないので、
迷子にならず簡単!
目的地はグラスゴー大学敷地内にあるバンタリン美術館。
マッキントッシュの自宅が再現されたマッキントッシュハウスだったのが夏休みで改装工事中・・・。博物館へは入れたものの
よくよく調べて行動しないとダメ!とまたまた痛感。
いつもの行き当たりばったりでラッキーだったのが今思うと、すごいこと。
グラスゴーまできたのにマッキントッシュには嫌われた!?
それでもグラスゴー大学の構内、校舎がすばらしく、しばし学生気分に。こんな環境で学べる学生がうらやましい。
地下鉄の駅までの抜け道を親切な学生さんに教えてもらう。
もし、ながーい休暇をプレゼントされたら、ここで英語の勉強をしてみたいと二人で話しながら学生寮の立ち並ぶ敷地内を横切って帰りました。
*画像右下*
ウィローティールームやグラスゴースクールオブアートのSHOPで売っていた
マッキントッシュのラダーバックチェアー「ヒルハウス」の刺繍キット。
ちょうど、いま11月9日まで京都近代美術館で「生活と芸術-アーツ&クラフツ展」“ウィリアムモリスから民芸まで” 開催中。
グラスゴー様式を最もく体現した一人、ジェシーニューベリーの刺繍や マッキントッシュの作品も少しですが、展示されていました。
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